『算法少女』を読んで

『算法少女』 遠藤寛子著 ちくま学芸文庫

まず驚いたのは、『算法少女』が、江戸時代(1775年)に実際に出版された和算の本の題名であることである。著者は医師千葉桃三とその娘あき とみられる言う。
現代の『算法少女』は、あきを主人公にした物語である。
江戸時代の日本では和算が発達していたこと、関孝和の名前は、歴史の教科書で知っていたが、この時代に少女が和算に取り組んでいて著書まで残していたとは、驚きであり痛快である。いわゆる男尊女卑の時代だが、おおらかにたくましく生きる女性もたくさんいたのであろう。平和な時代だったと言えるのかもしれない。

この本に紹介されている「日本の数学」の一こま

  • 万葉集に九九を使った歌がある
  • 複数の数学者が円周率の計算に取り組んでいた。流派争いもしていた。
  • 算額と呼ばれる絵馬の存在

ところで、物語の発端となった算額に書かれている問題。さっぱりわからない。勉強のやり直しが必要そうである。